賃貸DIY・壁際20cmに省スペースのキャットタワー

2024年9月25日

猫の脱走防止扉を作ってみて、賃貸マンションでも、広い作業場所を確保できなくても、そこそこ大きい物を作ることができるとわかりました。

猫を迎えて1週間が経った頃、そろそろ我が家にも慣れてきたようで、あちこちウロウロしはじめたので、今度は猫が喜ぶものをと思い、キャットタワーを作りました。

運動不足を解消

猫は犬と違って散歩に連れ出す必要はありませんが、毎日家の中でゴロゴロしていたら運動不足になりそうです。

外で暮らす猫なら、木登りをしたり、塀に上り下りしたり、高低差があるなかで暮らしています。猫には広い空間よりも上下運動ができる空間が必要といいますが、家の中で柱や家具に上って落ちたりしたら大変です。

キャットタワーを設置しておけば、猫は好きな時に上り下りして、運動不足の解消にもなります。
運動不足の解消だけではなく、飼い主を監視する見張り台にもなっているようです。

キャットタワーを自作する

据え置きタイプ、突っ張りタイプ、大きさも高さもさまざまなキャットタワーが市販されていますが、脱走防止ドアを自作して自信がついたので、キャットタワーも自作します。
実際には、我が家に最適なキャットタワーは自作するしかなかったのです。

我が家には猫専用に開放できるような広いスペースはないので、邪魔にならないサイズであることが重要です。
据え置きタイプは大きすぎます。

設置しようとしている和室は、畳敷きで天井板には強度がありません。
突っ張りタイプは強度がある天井と床でなければ設置できません。

形や作業の順番をイメージする

・最下部は箱型の台座にして、柱を台座に固定する。
・柱の上部はDIYパーツを使って廻り縁に突っ張る。
・柱に互い違いにステップを取り付ける。
・台座の箱に引き違い戸を付けて、収納にする。

箱型の台座
DIYパーツを使って2×4材を突っ張るには畳では安定性に欠けるため、箱型の台座を作って柱を固定することにしました。また、設置場所の壁にあるコンセントをそのまま使えるようにしておきたかったので、補強金具を使って柱を固定しました。
コンセントの必要がなければ、柱の両側に2×4材を添わせたほうが安定性が増します。

2×4材の柱
柱の下部は台座に固定しましたが、天井板には強度がないため廻り縁を補助材で補ってDIYパーツを突っ張りました。
脱走防止扉と同じラブリコを使いました。

互い違いのステップ
省スペースのためにステップは柱を中心に交互に取り付けました。

引き違い戸のレール
箱型の台座は収納として使えるように、板戸を2枚はめて襖のように引き違い戸にしました。引き違い戸は、天板と地板に溝もしくはレールが必要なため、プラスチック製のアングルを2本並べてレールの代りに使いました。
板戸ではなく、プラダンやアクリル板を使えばガラス戸用のレールがぴったりです。(アクリル板5mm/ガラス戸レール5)

寸法を決める

台座のサイズ
掃き出し窓の近くに設置するため、邪魔にならないよう幅500mm/奥行き200mm/高さ436mmにしました。
ちょっと高すぎるかと思いましたが、わけなく上がっていきます。しかし、老猫や太り気味の猫には高すぎます。

柱の長さ
2×4材は、天井までの高さからDIYパーツ分と台座の地板の厚さ分を短くします。
各DIYパーツのサイズは、ラブリコ95mm/ウォリスト60mm/ディアウォール45mmですが、ある程度は許容範囲があるので数mmの誤差は気にしなくても大丈夫です。

ステップのサイズと位置
ステップの奥行きは台座と同じ200mm、幅は294mmにしました。
柱を中心にして取り付けるため、台座の幅の中心より、2×4材の長辺(89mm)の半分だけ長くなります。

ステップは台座の上から1392mmの範囲に5枚取り付けるため、高さは278mmにしました。
実際には最上段はステップではなくキャットウォークに繋げました。

ステップの高さは猫が楽に上がれるだけではなく、互い違いの場合は楽にくぐれる必要があります。猫の大きさにもよりますがステップの高さは300mm前後を目安にすることをおすすめします。

当時(2018年)のメモを見ると、かなり大雑把ですが、実際には壁にマスキングテープを貼り、ステップの高さや幅を決めていきました。

道具と材料を揃える

私が良く行くホームセンターでは、木材カットサービスがあって、パネルソーで直線カットしてくれます。
木材を自分で切る時はのこぎりで切りますが、木くずが出るので風呂場で切っています。なので、出来る限りホームセンターでカットしてもらいます。

道具やパーツはネットで買うこともありますが、木材だけは実物を見て購入するようにしています。
塗装をしないので、なるべく節がなく木目がきれいなものを選ぶようにしています。

道具

採寸:メジャー、さしがね、水平器
切断:のこぎり、カッターナイフ、はさみ
接合:電動ドライバ、ドライバセット
加工:彫刻刀、やすり、ホビーかんな
ホビーかんなは、とても便利でおすすめです。

材料(単位は特に記載がない場合はmmです。)

プラスチック製のアングル
・10×10×1000を2本(引き違い戸のレールの代用)
DIYパーツ
・ラブリコ2×4アジャスター通常タイプを1個
2×4材
・12F(3650)を1本(柱)
集成材(パイン)
・18×200×1820を1枚(台座)
・18×200×1200を1枚(ステップ4枚分)
・9×250×910を1枚(引き違い戸)
・9×150×910を1枚(台座の内部の収納棚)
棚受け金具
・125×150を4本(ステップの短辺側)
・150×200を4本(ステップの長辺側)
補強金具
・2×20×300を3枚(柱の固定)
コーススレッド
・軸細コーススレッド3.3×35(2×4材への取り付け用)
脱走防止扉を作った時の余りです。
カーペット
・91cm幅×400mm(台座とステップの滑り止め)
両面テープ
(アングル、カーペットの貼り付け)

材料費は合計8,836円でした。
当時(2018年)の消費税8%込みの金額です。

作業にとりかかる

設置場所である6畳の和室にレジャーシートを敷いて作業場所にしました。
作業場所は2畳くらいのスペースがあれば何とかなりますが、かなり木くずが出ました。
木材の切断や面取りなど、思っていた以上に木くずが舞い散るので、慌てて風呂場へ移動して作業をしました。

今回も、一日で作り終えることを目標に午前8:00から作業を開始しました。
和室は私の寝室なので、どうあっても一日で作り終える必要がありました。

脱走防止扉と違って、構造もシンプルで面倒な蝶番もないため、キャットウォークも並行して作りました。組み立てが終わった時点でいったん掃除機をかけて、その後、滑り止めのカーペット貼りを行い、午後9:00くらいに終わりました。

キャットタワーは、実働8時間ほどで完成しました。

出来上がってから気づいた大誤算

作業中は近くに寄ってこなかった猫も、出来上がるなり興味津々で近づいてきました。
心配していた台座の高さも問題なく、互い違いのステップもすんなりと向きを変えながら、上手に上り下りします。

しかし、ステップは上り下りするためのものだと思っていましたが誤算でした。ステップの途中で昼寝をするのです。

省スペースながらも、楽に上がれて楽にくぐれるようにと慎重にステップの位置と高さを決めましたが、楽に昼寝ができるようにとは考えていませんでした。
昼寝中は、いつ落ちるかと見ていてハラハラしてしまいます。

それでも自作しようと思うなら

省スペースでキャットタワーを作る8時間の作業工程をご紹介しています。
お役に立てば幸いです。
天井と床の強度が十分であれば台座は必要ないので、もっと簡単に短時間で作れます。

お買い物(外部リンク | Amazon)
2×4材の柱を立てるためのDIYパーツ ラブリコ
脱走防止扉を作った時に買った 軸細コーススレッド3.3×35
引き違い戸のレールの代用 プラスチック製のアングル
ステップの短辺側を支える 棚受け金具125×150
ステップの長辺側を支える 棚受け金具150×200